鳳来寺山産出 三種類の石材
①金鳳石 KINPO−SEKI
別名:寺林石
石色:黒色で金銀星を有す
玉葱のような形状で産出され石質は堅い。
剝がれる層を取り除いた芯部のみが硯に良いため、
板状のものを作るためには相当大きな球状が必要です。
金鳳石硯
硯は容易に減らず、水を良く保ち
鋒鋩「ほうぼう(硯面の粒子)」が多く発墨に
優れ、特に「唐墨」には最高の名硯です。
かつて硯研究家の後藤朝太郎先生は、
「金峰石は三河鳳来寺より産出する硯材にして、
日本稀に見る良材である
(中略)端渓水巌のそれにも劣らぬもので、
日本の愛硯家はこの良材を見逃してはならぬ」
と激賞しておられます。
②鳳鳴石 HO−MEISEKI
石色:黒色 鼠色
大きな板状で産出し金鳳石より少し柔らかく無地。
鳳鳴石硯
金鳳石と同様、鋒鋩(硯面の粒子)は最良です。
こちらは「和墨」での発墨に相性がよく、優れています。
③煙巌石 ENGANSEKI
石色:茶色 曲線模様を有す(日本の硯としては珍しい)
板状で産出する
煙巌石硯
鳳鳴石にくらべ鋒鋩はやや弱めで、
その発墨はぼかしを使う墨絵などの淡墨に適しています。